世田谷観音②~韋駄天~

境内に入ってすぐ右に、特徴的な建物がある。
阿弥陀堂という。

 

pic 18 setagaya amida do

 

中は自由に入れるそうで、かの巨人軍・川上監督もここで祈りを捧げられたという。

 

「あのお堂の扁額を見てください」
ご住職が指さした。

pic 18 setagaya idaten

 

韋駄天と書かれておる。
揮毫されたのは、金栗四三(かなぐりしそう)とおっしゃる。
この人は知る人は知る御仁。

 

あの箱根駅伝創設に尽力された方で、日本最初のオリンピック選手として、
1912年にストックホルム五輪に出場されたそうだ。
ただ、このレースで、金栗殿は、酷暑もあり、意識を失い、途中棄権となった。
だが、話はこれで終わらぬ。

 

1967年に、スウェーデン五輪委員会は、当時の金栗の棄権は認められておらず、
老いた金栗が競技場を回り、ゴールイン!

 

「54年8ヶ月6日5時間32分20秒3」という記録を出して、表彰した。

 

何という粋よ!

 

その日本マラソンの祖が書かれた韋駄天の文字。
何ともありがたさが増すというものよ。

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