トランプ当選解説; in-boundで蹂躙される京都の町;スマホとSNSってガチで必要か?その2(2016年11月)

おぉ、いつになく饒舌やな、空石よ
モラ坊円瓢ですわ

では、俺も負けずに。

いや本当に。より(ず)太いやつがな。

東大の同僚で外交官一族出身でHarvard大出の楽しい医者がいるのやが、米
国暮らしも長かった彼とずっと見守っておった今回の選挙戦。俺も彼もファン
だったバーニー・サンダーズが民主党の指名から漏れた時点で今回の大逆転劇は
準備されていたのかも知れんわな。

社会主義すら標榜したバーニーを熱狂的に支持したのは白人貧困層も含む労働者
階級そして社会正義を信じる若い有権者たち。それに対峙したヒラリーは超エ
リートで職業政治家で「向こう岸の人」で「俺らには無関心な政治家」や。最後
は彼女の金力と権力が勝利した。ここで決したのかも知れんな、今思うとやが。

ここで面白いのは、信条的に「anti-establishment」で「大きな政府・富は分配
すべき」な米国の白人労働者階級は、心情的には保守・右翼系ということ。故
に、政治的には多くが民主党支持なのだが、バーニーを失って「政治家個人」と
して惹かれたのは、establishmentの権化のようなエリートヒラリーではなく、
保守・右翼で教育のない移民排斥などを好き勝手言いながらも、「職業政治家ど
もから忘れられていた俺らと心情的に近い」と思わせたトランプなのやな。が、
あまりに阿呆に見えるこの候補をもろ手を挙げて応援する訳にはいかぬ。よっ
て、意識調査でも数字が上がらない。堂々と意見を表明する中流層の中では8割
決したかにみえていた選挙が、埋もれていた白人貧困層によってひっくり返され
た構図やな。

やばさをいち早く感じた株式市場は1000円の平均株価の下落で反応してたな。ト
ランプは読めんからな、政策が。が、ちょっと楽観的に考えると、彼が譲れない
無教養的な立場~女性蔑視や移民排斥や銃保持や内向き外交や反世界貿易主義な
ど~が維持できてると本人が思えてさえいれば、意外と実際の政策は取り巻きの
頭のええ連中が動かしても放置するのではないかと思うてるのやな、俺は。そう
なると、意外にまとも路線で行くかも知れん。変な政治的野心がない分、意外に
まともやったりしてな。ただ、暴君なので路線が不安定になるかも知れず、それ
は2年目ぐらいには制御して欲しいと思うが。

金閣寺に日本人はいないか!すげえな!飲食店の質が劣化か。確かに、あまり細
かくない外国人客ばかりに対応していると、外国人向けにこそアピールできるお
もてなしの意識が希薄になるという逆説やな。軸がぶれる(精神性よりも手っ取
り早い金儲け)と、簡単に流されるよな。自戒も込めて言うのやが。京都は小さ
いしそもそも「住む場所」やったから、そこに外国人が大量に来るとまさに「寝
所に土足」やな。哀れ。そろそろ京都の人たち、ぶぶつけ出し始めるのちゃうけ。

お主の、スマホ保持者の薄っぺらい利用手段への感慨は正解やと思うで。ほんま
に皆さんゲームやからな、6割ぐらいは。新聞や文字を読んでいる連中もいるが1
割もおらんで。で、残りの3割はSNS系のチェックや。徹底的に受け身で情報に触
れている。まだポケモンGOやと能動的に動くでちゅう感じや。そもそも能動的に
本を読む人種こそ絶滅危惧種やで、その兄ちゃんとかな!

米国のスマフォ界隈は、恐らくGoogleやYoutube、Amazonなどを見れば分かると
思うが、かなり先を見据えている。Googleカーが世界中を回ってmapを作ってい
るなとほほ笑んでいたら、いつの間にか奴らは「世界中で無人運転カー」を作っ
ておる。トヨタも腰抜かすわ。発想がとにかくぶっ飛んでるから、Facebookの
ザッカーバーグの目にも何が映ってるか分かったもんやないで。母校のHarvard
にではなくBerkeleyに、「より小児医療の世界をよくしてくれそう」と何十
億も寄付するエリートや。コネクションの考え方が違う。

そう。「自分の国」というコネ意識すら希薄な世界市民や。「国力」とかばっか
り抜かしてる時点でもう内向きガラパゴスよ。むろん、地理的・文化的単位とし
て国家はこれからも大事やろう。が、それは「単位」としての存続であり、「限
界」を規定するものではない。

スマフォはアプリが命であり、その機能がどこまで社会生活の真のニーズに肉薄
できるかがポイントとなる。「持ち歩ける」ってことは、「密着してる」ってこ
とよ!「断続的価値」がないとイノベーションとは呼ばん。「家でできてたゲー
ムが今度は歩きながら!」は、断続してない。それは薄っぺらい「延長」や。
が、アメリカ発のアプリは、多くが従来にはなかったような価値を生み出してき
た。これぞイノベーション。

断続的な新サービス開発の例。今まで個人の医療健康情報が病院の電カルシステ
ムの中でmonopolizedされて全く活用も移行もできなかったのが、スマフォアプ
リをこさえた結果、主治医を変えても病院を変えても情報が共有でき、無駄な検
査が省かれ、しかもその個人データがビッグデータ解析に使われて人を救うこと
に貢献し、さらに研究結果の諸々が自分個人のスマフォにフィードバックされ、
情報がテーラーメード化されて簡単なAI医師となり、または専属栄養士よろしく
アドバイスをくれる。急な事故で意識を失っても、巧くマイナンバーと絡めれば
スマフォから持病情報も取得でき、身体に合わない薬を救急で処方されて半殺し
されることもない。

これは、「今まで存在すらしてなかった」アイデアであり、「断続」してる。こ
れがイノベーションや。ちなみに、上記は国のヴィジョンの元、俺らも含めて実
際に開発の準備を整えている。質のよいヘルスケアベンチャーを量産する土壌づ
くりに、アカデミアと税金を使わせてもらう感じやな。

医療の世界に限らず、「unmet needs」は転がっている。それを断続的な目の付
け所でかなえたものが前に進むのやろうな。ちょっと大変な感じもするが、この
流れに抗うのはもう諦めた方がええかもな。今後は少数精鋭のinnovation人口
と、そこから少し質の違う労働を担当するmajorityなordinary人口とに分かれる
のかも知れない。皮肉なことやが、(昔は希少資源であった)情報がネットによ
り誰でも利用できるように水平化されたが、その活用法によって大きな質の差が
生まれようとしておる。ゲームしかせん層はそれ。想像力の欠如や。巧く使えば
人助けもできるのにな。結論としては、俺が身を置く医療ICTの世界では
断続的なinnovativeな試みがかなり行われている。

13(日)の夜か。かなり限定的やが、どの時間帯でどの場所がよさそうや?検討
してみる価値はありそうやな。