圓教寺21~すさまじき修業!~

食堂の横に、常行堂(じょうぎょうどう)という立派な建物がある。
名前の通り、座禅を組むところで、一般の方も事前に申し込めば、
修業することができる。常に行を行うお堂、というわけじゃ。

 
雄雄しい常行堂の姿

中に入ると、大きな阿弥陀殿が控えておる。
いつものことながら、改めて身が引き締まるわい。
この台座が少し変わっておってのう。
阿弥陀殿が、腰ぐらいの高さの手すりで囲まれている。
だが、何のために?

そもそも、ここは僧侶が「歩行禅」(禅宗では「経行(きんひん)」とも呼ぶのう)を行うために設けられた場所で、彼らは仏のまわりを呼吸を整え、半歩づつ回っていく。
座禅より楽そうじゃと?

それはとんでもない誤解じゃ!

なんせ、トイレと食事以外は、ずっと歩行禅じゃ。寝ることすら許されておらん。
それを90日間、ぶっ通しで行うという荒行なのだ!

先ほど見たあの手すりは、修行僧が疲労困憊したときに、もたれるもの…と、ナビゲーターの金子執事はいわれる。

とは言ってもなぁ…。横臥もできん状態で疲れなど取れまいて…。まさに荒行じゃよ。

「60日も続けていれば慣れてしまって、回っていてもまっすぐ歩くような感覚になるらしいですよ」

う~ん、わしは、昔にそんな修業したかのう…。


 緑豊かな摩尼殿を仰ぎ見る

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