鷲峰山金胎寺(奈良)の「納め地獄」

さて、2009年末の29日は、奈良にも信楽(滋賀)にも伊賀上野(三重)にもほど近い京都のど山中、相楽郡和束町という茶の名産地に赴き、鷲峰山(じゅぶさん)の頂上にある古刹(676年創建)、金胎寺(こんたいじ)に、同じく仏教オタクの親友、つまりは空石と二人で参拝してきた。さすがは役行者ゆかりの地らしく寺の裏には修験道の「行場」が設けられており、2時間半みっちり、奇岩を鎖でよじ登り美しい瀧に驚き、イノシシの糞に震えながら完遂したわ。

 

最初は相棒と話す余裕もあったが、ラストの谷からの岩登りが続く行程では「六根清浄…」とぶつぶつ唱えるか、理趣経百字偈と共に正に「精進」するしかない状態やった。あれはきつかった。ただ黙々と「重力の存在」を己の身体にひしひしと感じる経験は誠に貴重でしたわ。

 

 

 
 

下山後にふもとのよろず屋で店のおばさんとストーブに当たって1時間話し込んだ際に、行場では数年に何度か捜索願が、5年に1度ぐらいは事故死が出るという事実を聞き、入山前に聞かなくてよかったと、仏の計らいに感謝した。この年末の行場体験は、とても意義のあるものでしたわ。もっとも、その後は4日間は階段を下りるのが苦行やったが…。

正月は打って変わって穏やかに、実家(大阪府箕面市…実は役行者と非常に強い縁を持つ地でもあるが)で過ごした。2日は、今月で3歳になったセガレと父子水入らずで近所の神社2つと寺1つとに初詣に行ったことが印象的やった。後半はかなり抱っこしてたが、しっかりと自分であぜ道を歩き、路傍の地蔵に手を合わせ、流れる川に歓声を上げ、俺が子供時代によく遊んだ神社で猫と戯れるセガレを見ていると、あっという間に大きくなったなぁと感じ入った。俺が世話になった保育園(そばの寺が管理)も二人で訪れた。

そんなこんなの、大阪における年末年始でございました。

美しい大滝の写真。中央に「白装束を纏った5歳ぐらいの男の子が猪の背に乗って右向きに疾駆する」姿が見えてどきりとする。帰路の電車で写真をチェックしているときに背筋がぞくっとした。が、よーく見ると、水の流れと落ち葉が上手に作った自然の芸術だと分かる。

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