空石の米国便り~鉄道王ウォルター美術館~(2006年8月)

前に出したメールは届いたかな?
長之坊っちともよろしくやってくれているようで、帰国の際には
面白いサイトが立ち上がっていることを期待するわ。

19んちにこっちに来て、ようやく落ち着いた。
シアトルは住みやすい街やわ。
季候がいいし、(夏はいやっちゅほど避暑に人が来るが)人も適度に擦れてない。
どこと比べてかと言うと、先日ボルチモアに行って来たのだが、
ここは黒人が2/3というエリア。ダウンタウンは、夜1人で歩けたものでない。
レンタカーの私だって、信号無視してバンバン通ってくる連中や青信号でも退いてくれない無法カーに恐怖を感じましたわ。きれい事だけでいけない世界もあるのね。

そんな中でも、情報は仕入れてきたバイ。
ここにあるウォルター美術館はサイコー。時間がなかったので、サッとしか見れなかったのが心残りだが、田舎(小さくはない街やけど)の美術館としては、秀逸の内容。まあ、アメリカの金持ちというのは、桁違いで、マネーにもの言わせて、世界各国から宝物を集めて(半ば強奪)きた奴がいることがわかったわ。

俺は、あまり知らないが、博物館のネーちゃんに言わすと、ビルは最近の成功者だけど、ウォルターは、歴史を通じての成功者だって言ってたわ。
彼は鉄道王らしいね。
まず、建物が迷子になるほど広い。実際たびたび道を聞いた。
そして、アメリカ・ヨーロッパはもとより、世界の美術が展示されている。

もちろん、目当ては日本のコレクション。ジャパニーズヘルメット(かぶと)に交じってありましたわ。大好きな仏さんが。
それは最澄の木造で、1メートル四方の結構しっかりとしたものだった。
日本では間違いなく、重文級やね。
説明も細かくて、ためになった。伝教大師はグレート・ティーチャー。なるほどね。弘法大師なら、なんやろね?
印象の悪いボルチモアの地で、心が洗われた瞬間だった。
それで、異彩を放っていたのが、チベット密教の絵画。あのどくろとかを身にまとい、火炎を出して、仁王立ちになっているもの。
勉強に来ていた学生達もクレイジー!とびびっていたわ。
もちろん、部屋の隅っこにひっそりあったのだけど、どの展示物よりも飛んでいたわ。
仏教徒でよかったと思うわ。

アメリカってのは、観察していると面白い国やな。
まず、健康って概念が日本と完全に違うな。
いくらヘルシーだといっても、そんなにサラダを食ったら、不健康だろ!とか
「ダイエットペプシ」と健康くさい名が付いていても、そんなん毒以外の何ものでもないということがわからない。
TVでは、デブがどこまでやせたかということを、やらせちっくにドキュメンタリーにしている。(どこかデブの人権無視のような気がするが)
また、TVも雑誌もダイエットに関する記事が多い。
欲望のまま生きているのやろね。(そんな奴ばかりではないと思うけど)
でも、体型のいい奴なんか、街で見たことない!

困ったのは、携帯やわ。
こっちの携帯はプリペードカードで、ミニットを補充していかないといけないんやな。電話がよく使えなくなって、携帯屋に飛び込んできたが、ようやくその仕組みを理解したわ。それも、計画性のないアメリカ人が話しすぎで破産するのを防ぐためか?

こんなこと言ってるけど、別に嫌いな国ではないと思うわ。
思った以上に親切やし、チャリティーやボランティアの精神も日本とは格段に進んでいるしな。

そういえば、クリーブランドにはクリーブランドクリニックという全米一有名な病院があったわ。世界中から心臓などの移植手術に来るので、院内には日本料理屋まであったわ。市内のクリーブランドには、ないんとちゃうか?
見ること、聞くことに興味をそそられる毎日で、充実している。
問題はメシだが、何とか嫁がご飯を作ってくれているので助かる。(シアトル限定だが)
嫁は、今語学学校で根性入れて、英語を練習し直している。
円瓢の奥さんにもよろしく。子供はすくすく育っていますか?
俺の嫁さんにも近況をメールしてあげて下さい。
(このメールに返信してくれれば)

円瓢よ。アメリカでこれだけは経験しとけというものがあれば、教えておいてくれ。何じゃいっても、2ヶ月なんてすぐだからな。

ともかく、2人とも暑さに気を付けて。
こっちは、もう秋の気配じゃゾー。

空石

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