笑い仏さんと共に考える、震災被害における宗教心(2013年3月)

円瓢よ

レンタカーの旅はなかなかスムーズに終わったわ。

奈良・元興寺を出発した笑い仏さんは、しばらく京都府内のとある民家でドック入り。
しばしの休息をとられた。

8日に名阪国道を通り、三重・津観音へ。近畿に長らく逗留していたが、
ようやく東海エリアに足を踏み入れることになった。

笑顔で迎えてくれたのは、岩鶴密伝副住職。彼は、高野山大学で修行中に知己を得た
先輩から、笑い仏のことを知らされ、われわれの活動に快く協力してくれました。

そこで、MONKフォーラム活動に協力しくれている僧侶の方から話を聞きました。
彼は東北をボランティアで訪れたことがあるそうです。

「震災が起こってすぐの6月に宮城県の名取のボランティアセンターに知人と行きま
した。僕らは法話で震災のことを話すこともあったのですが、こころの中で『何も知
らない人間がテレビでしかしらないことを話してもいいのか?』という疑問があった
のです。もちろん、お坊さんという身分は明かさず、個人で行きました。カーネーショ
ンを育てるビニールハウスで泥を掻き出す作業を20人ぐらいでしました。1日それ
だけ。とてつもない作業だと思いました。

それこそ被災された方や自衛隊の方等は大変だったと思います」

「東北に行ったことでいろいろなことを感じました。ホントにいろいろなことも考え
させられました。その中で印象に残ったのは、東北の方の宗教心です。阪神大震災の
とき、お坊さんが被災地に行くと『人が死んだときだけ来るんか!』とののしられた
と聞きます。そのことを直接は知りませんが、東北では違いました。話をするうちに、
僕がお坊さんだとわかると、『位牌が流されたからここで拝んでください』とか熱心
に頼んでこられる。

もともと宗教心が涵養されているんでしょうね。普段からお寺や宗教に接しておられ
るから、お坊さんにも普通に接するし、人が亡くなったりすると、当然の気持ちとし
て『供養してほしい』という感情があふれるんだと思います。このことは僕にとって
は新たな発見でした。

東北に関わらせていただいた僕としては、今回の活動もそうですけど、これからも何
らかの形で東北の役に立ちたいと思っております」

三重・津観音は東京の浅草寺、名古屋の大須観音と並び、日本三大観音といわれる名
刹。笑い仏さんは、4月いっぱいまでは当山に逗留させていただきます。