元興寺⑫~元興寺「小塔院」~

塔跡から西に行くと、今度は元興寺小塔院というところがある。
細い道にあるところで、うっかり通り過ぎてしまいそうなところじゃ。
小道を上っていくと、トタン屋根のお堂がある。掃除をされている男性がいろいろ教えてくれた。こここそが、むかしは元興寺のお坊さんの学校があったとこというのじゃ。
 
「このお堂には虚空蔵菩薩が納められていて、奈良時代の有名なお坊さんである護命僧正が、虚空蔵求聞持法を勉強されたところといわれています」
 
 pic 07 gangoji 23 small tower

 
さてさてここは「小塔院」と呼ばれておる。そのいわれは?
 

「ここに今の元興寺にある五重塔が奉られていたんです。平重衡の焼き討ちの時はさらしに巻かれて、土に埋められていたそうです。あの塔はバラスことができたそうですので」
 
なんと!あの塔はここに埋められておったのか。
 
それをまた組み立てて…。歴史を守ることは、ほんに大変なことなのじゃのう。さて、今では大寺の面影はイメージするほかはないが、下を1メートルも掘れば、歴史的な価値のあるものがザクザク出てくるそうじゃ。
 
先の男性によれば、お寺の維持は大変という。
じゃのう。有志のかたの力でお寺を守っていることがよくわかった。
 
ありがたいお話をいただいた。

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