高野山(結縁灌頂)(2002年10月)

昨日は、雨の中を高野山にまでモラ坊滝慧と出向き、結縁灌頂をしてもらってきたがな。まぁ、やっぱり「サービス満点すぎ」の結果、「(しきみの葉が)どこに落ちても大日如来!」という、恐れていた通り(松長有慶の岩波新書「密教」で紹介されてた)の結果にはなったが、その儀式プロセスはかなりいかしたものであった。

目隠しをされてお堂に入り、かなりの間、「オンサンマヤサトバン」と普賢菩薩(=金剛薩多)の真言を叫びながら、見えぬままに前の人の背中を組んだ印で押しながら曼荼羅の前まで連れて行かれる、という作業はフリーメーソンの入会式を髣髴とさせ、秘密的でいかした。でっけえ国宝の曼荼羅が凝視できたのもいかしたな。

で、あじゃりの爺さまに直接「ふん!ふん!」と冠かぶせられて灌頂を授けられたのもいかしたのう。五こ杵の持ち方もちょっと勉強になったしな。雨のせいか人数はそれほど多くはなかった。が、いつも通りの「ハードコア巡礼者」諸君の団体さまは、白装束に「同行二人」の文字を背負い、ぎらぎらにぎらついてた。ま、恒例ですわな。

全体的には、故に、「Bプラス」の評価でしょうな。俺のような「密教マニア」は、やっぱ「みな大日如来!」では満足いかぬので。で、今回は金剛界やったので、5月の胎蔵界の方は、昨日行ってない空石を派遣したいと思う。俺と滝慧は今回行って、次回も恐らく「皆大日如来!」やろうけど、多少プロセスが違うかも知れんし、知っておきたいのだ。うえにも書いたようによ、空石、儀式の一連のプロセスは体験しておいた方がええで。

それに、俺は5月2日に結婚式を、予告どおり平安神宮にて直系家族のみの10人程度で行うので、結縁には出れまい。で、空石よ、彼女と一緒にでも、行ってはくれぬか?(←怖がるかな?…もう俺らの趣味知ってるしよ、大丈夫やろう?)

でよ、滝慧に、「やっぱよ、高野山は総本山ゆえ一般向けに媚びることも必要やろう。これは理解できる。が、同じ真言宗で、ちょっと山の方に入ってそびえたつ古刹なんかでは、『まじ結縁灌頂』をやってると思うので、調べとくがな!」と言うてたのや。これが、昨日の夕方、帰りしなの極楽橋までのケーブルカーの中にて。

するとや!その矢先に、俺の母がコムスンで(ヘルパーしてるのや)見ているばっさまがえらい真言宗ファンで、鏑射寺という神戸の三田にあるバリバリ古刹の住職がとてもお気に入り。彼の写真を家に飾っているときてるから、ほとんど「ダライラマ法王の写真を飾るチベット人」なみの濃さや!で、そこのニュースレターを今晩、カレーと一緒におかんが持ってきた。それを開くと、「不動明王結縁灌頂」とあるやないか!ごるあ!来たで、来たでえ!

「不思議なことも、ある」 by茶沸観音さま

そうだす。やはり普賢菩薩は、昨日の高野山での我を不憫に思い、「よし、マニアの円瓢には彼が愛する不動さまと特別に結縁させてあげようではないか」と思われたのではないか!?それにしてもたった1日しかずれてないこの計らい!三世十方の仏方は、修行者を常に見ているということでしょう、「仏教的長者」になることを生涯の目的と為す、選民を。いかすか!

という訳で、毎年4月1日と2日に行われるこの灌頂式。濃すぎるほどに素敵。ぜひとも参加すること、疑う余地無し。既にカレンダーにも記入す。前回は、しかし、430名もの坊さんと在家が灌頂式を受けたのだ。坊さんまで来るとは、ちょっと玄人ちゃうのけ!

「不思議なことも、ある」 by茶沸観音さま

で、その前に、空石と必ず当山のカリスマ坊主である「中村あじゃり」なる人物に会いに行くことも、計画済み故、諦めるように。その母の介護利用者のばっさまは、息子の嫁が修験道の先達で、その嫁の兄貴が高野山にて坊さんやってるというすてき婆。三田の不動明王祭るいかした寺の中村公隆あじゃり殿とも、懇意らしい。わが母が「うちの奇妙奇天烈な仏教オタクの息子と『地獄ツアー』なるプロジェクト」の話をするとえらい気に入りよう。中村殿にもお目通し願おうぞ。

それにしても、聖徳太子の母が生まれた場所にあるこの寺、太子が建立という話なので600年代け?ちゅうことは、えらい古刹やないけ!明治(やったっけ?江戸じゃないよな?)政府のくそったれ廃仏毀釈のせいで完全に廃寺になっていたが、指導力でならす中村あじゃりの入山で、現在建て直し中。ちょっとええやないけ?で、アイゼン祭りを11月22日に行うのやが、そこでは大般若経の転読など珍しいこともやる。あじゃりは、高野山の宿王院の住職でもあるので、仲良くなれば御山でもネットワーク。どないや!?

「不思議なことも、ある」 by茶沸観音さま

ということで、次回の結縁灌頂は、空石、行って参れ。で、鏑射寺、行くべし行くべし!ではのう!

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