バンコク紀行・下の前の巻(2017年12月・ワット=ベンチャマボピット)

バンコクがたまたまなのか、国全体がそうなのかはわからないが、
とにかくタイはお寺が多い。歩いていると、すぐ寺にぶち当たる。
タイ王国大使館のHPによると、全国で約3万とある。ちなみに言うと、日本は約8万弱とされる。タイの人口約6500万人。日本の半分と考えると、そうなのかと思うが…
とはいえ、お寺が周りにいつもあるのはそれだけで楽しい。
 
お次はワット・ベンチャマボピットです。
発音が難しくて、バスの車掌さんになかなか伝わらなくて、難儀した。
 
別名、大理石寺ともいう。
ミケランジェロのダビデ像にも用いられたイタリア・カッラーラ産大理石が敷き詰められています。デザインもイタリア人が担当という懲りよう。
白亜が太陽光に反射して、ピカピカに輝いてました。
女子受けしそうです。
 
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建物に入ると、シャキッとします。
中央の仏像が、さらにピカピカに輝いている。
 
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吸い込まれそうになるブルーのバックが、バチッと金銅仏を浮きだたせている。タイで最も美しい仏像といわれる。
これは、キマッてる!
こういう演出は、今の日本では無理だろうなぁ。
古いことがいいだけになると、こういう魅せる演出が疎かになる。
 
日本とタイの寺院の大きな相違点は、ここだね。
タイがお釈迦様に荘厳さを加えることに対し、
日本は言い方は悪いがくたびれたお釈迦様を守っている感じ。
どちらがいいかは文化だから言えないけど、そこをうまく取り入れたのが、
日本の新興宗教なんだろうね。
「すごいでしょ。尊いでしょ。だから入信しなさい!」みたいに。
 
ただこの寺のすごさは、別のところにあると思っている。
回廊だ。うっかりすると、通り過ごすが、必見である。
 
どういう意図かは知らぬが、タイだけでなく、各国の仏像が並べられている。
国や時代によって、違うので面白い。
 
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しかもこんなお人も。
 
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日本からも参列しております。
なかなか堪能した。
いい気分で、寺院を出たが、通りを見てびっくらたまげた。
2階建てのジャンボバスが、両サイドを占拠しておる。
すべて中国人観光客用だが、まさに壮観。迷惑を通り越して、感心してしまった。
 
ただね、これは本当に迷惑な話で、わたしが待つバスの停まるところがない。
バス停に堂々と駐めるもんだね。運転手はタイ人なんだろうが、中国人様には刃向かえないということか。
 
これじゃ、スマホがあってもバス移動には役立たない。
それらしき車にひかれそうになりながら、バスを探して飛び乗るのだが、どれも目的地には行かないと首を振られた。
歩くか…。
 
靴擦れならぬサンダル擦れした足を引きづりながら、中国のビッグバスを横目に西を目指した。
 
海外での一人旅。
これは精神衛生上、たまにはよいと思う。
いろいろなことを考える。
 
今回は、なぜタイ人は宗教心に篤いのか?
これをバス的視点から考察するとこうなるのではなかろうか。
 
中国バスの突発的な来襲のように、タイのバス移動は予定通りことが進まない。
遅れるぐらいなら、まだいい。
私は同じ方向に行くタイ人に、「じき来るから」と言われて、1時間も待った。
その老夫婦の気の長さには感動した。
あるときは、行き先は正しいのに、突然乗客全員が降ろされ、「別のバスに乗ってくれ」ときた。
仕方なく、同乗者について行ったが、それは行き先もわからないバス。
タダだったことはいいが、えらい遠回りをした。
まぁ、タイのバスに対する恨み言は尽きないが、要は『人生思い通りならない』ということ。
 
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これは、タイというか日本以外のアジア諸国に共通するところではなかろうか。
逆のこともある。
ラッキーである。
普段は待っても来ないバスが、すぐ来たとか。
買い物でねぎったら、ことのほか安く買えたとか。
 
つまりは、予測できないいいことや悪いことが起こるので、ついてるとかついてないとか思うのだ。
これが宗教心に結びつくのではないか。
いいことがあったのは、お釈迦様に毎日、五体投地してたからだ。
悪いことが起こったのは、お参りを忘れたからだとか。
 共通するのは、だからお釈迦様にお祈りを捧げよう!
 
日本みたいに、すべてが想定内で進んでいく世の中だと、『なにかのおかげ』という発想は起きにくい。
タイにはこの緩くて、想定外の出来事が宗教心の土台になっている気がする。
 
確かに、バンコクでも近代化が進めば、日本のようにもなっていくし、あるところでは日本を超えているところもあろう。
どちらが、住みやすい世の中か。
言い方を変えれば、窮屈感のない余裕のある世の中か。
 
いわずもがなである。
深酒、不倫、ギャンブル、投資、仮想通貨…。
こんなものに、あっさりはまってしまう。
それは宗教とよく似た部分があるから。
ただ…。
 
イーグルスの名曲「ホテル・カリフォルニア」の最後にある。
 
You can check out anytime you like… but you can never leave
 
陶酔のはてに、ホテルを出ようとして給仕から言われた言葉。
 
「いつでもチェックアウトできますが、ここを去ることは決してできません」
 
ホテルが、ものがあふれる現代社会の比喩となっている。
 
始終渋滞のバンコクだが、わたしのスマホではウーバーの有無が通知される。
ウーバーとは、自動車配車アプリのことで、近くにいるバイクが表示される。
OLらしきレディーがアクセスすると、バイクがすぐにやってきて、渋滞する車の間をすり抜け、あっという間に消えていく。こうやって、渋滞による遅刻は過去のものになるかもしれない。
バンコクも後戻りできないのであろうか?
そうなれば、ピカピカに輝く黄金仏たちはいずこに…。
 
 
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